あなたはフリーランスとして生き残れますか?
2011.02 01

CalmTechは開業3年目を迎えました。記念すべき日ではありますが、最近の開発者・製作者事情についてのエントリから思うところを、今後の自分への戒めを込めて残しておきます。

    ゆっくりと確実に変化するWeb制作のルール – 住 太陽のブログ

    Web製作者に向けてのメッセージですが、自分が商売する立場ならどうする?
    という問いかけに悩む人も多いかもしれません。

    私自身、2008年2月1日に独立開業して、3年目を迎えました。受託開発と講師という2足のわらじを履き、たくさんの人の支えがあり、自分を評価するならば「人に恵まれた人」としか言いようがありません。

    フリーランスが提供できる価値は何か?

    時代という最大のランダム要素を抱えながら、フリーランスとしてこれまで成り立ち、それなりに食べてこれたのは運もあるかもしれません。これまでの経験で確信しているのは、フリーランスにとって最大の商品は「自分」です。

    総合的なスキルは当然必要ですが、結局のところ、どこの馬の骨とも知れない個人を由緒正しい法人は簡単には信用しません。ビジネスは信頼関係が大事ですから、この人は信頼できると思ってもらえる人間性というものが、スキルと噛み合ったときに初めて自分を商品として発注側は捉えてくれます。

    しかし、それだけで一生うまくいくとは到底思えません。なぜなら、後ろ盾になるものがゼロだからです。1人で提供できる労働力には限界があり、物理的な競争には簡単に負けてしまいます。「自分」に加えて事業としての軸を持たなければフリーランスとして商品価値を高めるどころか、維持することもできません。

    その軸はメイン事業でなくとも良いと思います。ビジネスモデルを考える時に役立つかもしれない1つの仮説でも言及していますが、大きい額でなくとも、フリーランスとしての基板を支える、ベーシックインカムになる事業も必要です。私自身は、この1、2年でその軸を増やすための活動をしていく予定です。

    道具と同じステージに立ってはいけない

    真面目を真面目に考えてみた – 404 Blog Not Found

    今、様々な「活動コスト」が下がっています。業務コスト、販売コスト、発信コストと枚挙に暇がありません。ITというインフラは確実に様々なコストを下げ、後発のサービスが伝統を塗り替えています。自動化されればされるほど、コンピュータにできることをしていては、人の居場所はなくなる一方です。

    ITに関する様々な職種や仕事が生まれましたが、商売の本質はどこの業界であっても同じだと感じるばかりです。コンピュータはあくまで道具です。人にできないこと、面倒なことを肩代わりしてくれる便利な道具です。であれば、人間にしかできないこと、そして自分にしかできないことは何かを自覚することが大事です。これは今までに散々言われてきたことで、今更ではあります。

    技術なのかアイディアなのか人柄なのか、商品になりうるものは何でもありです。そういった要素の集大成としてビジネスモデルを構築することもありです。
    すると、自分程度の人材なんて余るほどいると悲観する人もいるでしょう。「この世でこれができるのは私だけ」というのは理想ですが、そんな素晴らしい物は誰でも持っているわけではありませんし、それを手に入れる機会や年月は想像もつきません。

    一歩引いてみると、私たちは同業者や関係者が集まる、あまりに狭い世界で生きていて、これを知っていなければ、これをできなければ恥という外聞に踊らされていますし(それを望んでいる?)、様々なマスメディアも不安を煽りこそすれ、今後どういう展開をしていくべきかという話はあまり掘り下げません。

    「何を売るか」よりも「どこで売るか」

    受託開発と商売と – 株式会社マジカジャパンの羽生章洋が書いてるブログ

    世界を見渡し、自分よりも上を見ればキリがありません。私はひとりですべての工程を完結できるのが理想だと考えているタイプです。だからこその考えかもしれませんが、視点を変えてみてはどうでしょうか?あなたにしかできない状況に自ら移動するのです。「この辺でこれができるのは私だけ」という状況はないか考えてみてはどうでしょうか?どこかにあなたの能力を求めている人がいるはずです。それもごく身の回りで。ニッチを見つけろというニュアンスではありません。穴をふさぐ立ち位置を探すのです。

    ビジネスのいろはとして、ターゲットの選定がありますが、ターゲットにも生活環境があります。ターゲットを取り巻く環境、背景を見定め、何かが不足している場所、ドメインを探すことが今後を生き抜くポイントになると思います。その限られた世界で必要不可欠な人になるのです。

    ものが無い時代だから売れたものは確かにあります。しかし今の時代、何でも簡単に手に入るように見えても、もっと広いドメインで考えれば、自分の当たり前を享受できていない、利便性を知らないままの人は思っているよりもたくさんいます。
    それは既存サービスの翻訳や焼き直しでどうにかなるものではないのです。そういう環境の人たちは、私たちの当たり前や利便性どころか、そのサービスの存在自体を知らない、もしくは目の前にあって見過ごしてることが多いからです。

    教え、教わる関係を構築する

    仮にも自分がコンピュータを活用した商売に立つ者なのであれば、コンピュータ利用によるメリットや可能性を伝えられる力を身につけていかねば、ビジネスは発生しません。SIer的なシチュエーションを前提にですが、ビジネスが発生する対象は、大なり小なり解決したい問題があります。
    まずはその対象の環境や背景を教わり、それと関する様々なトピックを教えることで、協力して解決できる可能性を示唆できます。ここで初めて、売ると買うという立場を構築するスタートラインに立つことができます。ここまでの過程には様々な引出しが必要です。必要不可欠な人は、そういった自分のアップデートを絶えず行っていると思います。

    教え、教わる関係は間接的なコミュニケーションであっても成り立ちます。大事なのは、自分が教えていることは、あなたにとって意味のあることだと気づいてもらうように伝えることです。それによって相手も自分にとって有用な情報を教えてくれます。

    生き残るのは少し先の未来を見せてくれる人

    技術力、コミュニケーション力、巷でフリーランスにこれから必要な能力はこれだと言う内容を散見します。とはいえ、10年後の自分を見通す人はいませんし、技術の進歩を見通す人もいません。予言や先見に確証はないからです。その時になって、過去の予言や先見が当たっていれば、「ほらね」と少し威張れるだけです。

    私が他の企業ではなく、フリーランスの人に仕事を頼むのであれば、今よりも多く利益を提供してくれて、今よりも良くなった未来の自分を見せてくれる人に頼むと思います。その未来は10年20年ではなく、半年後や1週間後でも良いのです。少し先の未来に人は対価を払おうとしてくれるのです。喉がかわいて仕方が無い時に、目の前にジュースの自販機があれば、間もなくジュースを飲んで幸せになっている未来にジュース代として対価を払っているのです。

    私が10年後20年後、どういう形で働いているかはわかりません。開発の最前線にいるのか、マネジメントをしているのか、はたまた路頭に迷っているのか。
    ただ、今後もITというインフラ、コンピュータという道具は最大限活用していくでしょう。そして、少し先の未来を見せられる人であり、必要な不可欠な人となるよう、自分をアップデートし続けて行きたいと思っています。

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    作者について

    青森県内でソフトウェア・システム開発を行うフリーランスのプログラマー。元々は集中監視システム開発に従事。現在はウェブサイト製作・オンラインシステムの開発案件を中心に、プログラミングのスキルトレーニングや講演も行う。

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