好意と義務の境目を垣間見るとき
2010.11 11

今年は自分にとって大きなイベントがありました。それは出産と結婚式です。 娘が誕生しました。育児と仕事の両立に追われる中で結婚式の準備もしました。結婚式というのは、立派なプロジェクトですね。しかも2回も行ったのですから尚更 […]

今年は自分にとって大きなイベントがありました。それは出産と結婚式です。

娘が誕生しました。育児と仕事の両立に追われる中で結婚式の準備もしました。結婚式というのは、立派なプロジェクトですね。しかも2回も行ったのですから尚更です。県外の方向けと、県内の方向けに分けたのです。

県外の方向けはご祝儀制、県内の片向けは会費制です。ご存じない方は「え?」と思うかもしれませんが、地域によって結婚式に参加するときに持って行くお金のルールが違います。
私が住んでいる地域では会費制が主流です。勝手な想像ですが、小さなコミュニティで顔見知りばかりのため、結婚式の参加は付き合い半分というのが根づいているのでしょう。毎回毎回、大金を出していては家計が危うくなりますし、かといって付き合いを疎かにしては顔が立ちません。田舎暮らしの人間にしか分からない感覚かもしれませんが、それも文化のひとつなのだと思います。

かといって、みんながみんな義務でお祝いしているわけではないのです。そこには昔からの付き合いだったり、大切な友人だったり、日頃からお世話になっている人だったり、「好意」としてのお祝いが間違いなくあります。
今回は結婚式を例に進めますが、そこに好意と義務が共存していることが自分にとって、非常に興味深いことでした。

参加者セグメントごとに好意と義務の割合は異なる

親族かどうか、付き合いが深いかどうかで、会費の他にご祝儀があったり、お祝いをいただいたりというケースが発生します。
結婚式は一見、好意を集めて成り立つ儀式のように見えて、義務が多くの割合を占めます。
風土や気質によりますが、親族は義務が背景にあり、金品という形で好意を還元する傾向があります。日頃から仕事でお世話になっている人は義務の割合がおおくなります。しかし、プライベートでの付き合いが深いと好意がそれを上回る傾向にあります。友人は好意の割合が非常に多くなります。これは社会的責任などがあまり発生しない間柄のためでしょう。

好意に祝儀・会費という義務を課す

好意は無償に見えます。しかし、結婚式というシチュエーションの場合、費用が発生するために祝儀・会費という義務を課します。それが大切な友人であってもです。
結婚式場やブライダルプランナー、お花屋、ケーキ屋といったビジネスと絡んでいくと費用が発生するのは当然です。言い方は悪いですが、好意と義務のすり替えが発生します。しかし、お祝い事なので、義務ではなく好意に見えるのだと思います。

好意を薄めずに義務を果たす

お祝い事とはいえ、冒頭にあるとおり、一大プロジェクトです。主催者側もやることは山積みで、祝ってもらうからには、それ相応の感謝を表したいと考えます。

主催者の意向にもよりますが、会費内で収めるか、会費を超えて日頃の感謝を表す意味で還元するかは分かれます。
人数が多くなってくると、人的負荷が高くなるため、如何に好意を薄めずに効率よく義務的作業をこなすかが大事です。例えば、メッセージカードを新郎新婦が直筆で全員に書く。というのは少人数なら辛くありません。ところが、田舎の結婚式は100人200人がざらです。

テンプレートを作って印刷すれば安上がりですし楽です。しかし、好意に対して義務的な返し方は悪印象です。そこで作業負荷を上げすぎずに好意を伝える方法に頭をひねることになります。
つまり好意を表すはずの作業が義務にすり替わる可能性を含んでいます。

好意と義務は表裏一体

好意と義務がいつの間にかすり替わるということは、表裏一体の関係なのだと思います。「せっかくのお祝い事ですから」というのはマジックワードで、商売側からすれば好意とお金をつなげるチャンスと言えますし、主催者側からすれば好意でもって義務を果たす原動力になります。参加者にとっては祝儀・会費といった金銭的義務を好意として解釈する理由になります。

費用が発生する仕組みである以上、義務はなくなりません。大事なのは義務を納得するだけの好意を各々が受け取れるようにすることなのだと思います。
各々が義務を十分に果たすと、顧客満足度、日頃の感謝、祝福などといった感情で好意が残ります。

ふと思ったことがあります。好意や善意という感情を集める仕組みは、ビジネスモデルとして重要な要素を多く含んでいるということです。次はその可能性について考えてみようと思います。

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作者について

青森県内でソフトウェア・システム開発を行うフリーランスのプログラマー。元々は集中監視システム開発に従事。現在はウェブサイト製作・オンラインシステムの開発案件を中心に、プログラミングのスキルトレーニングや講演も行う。

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